(19.3.5)自然再生をめざして
I さんはとても熱心な自然愛好家だ。このおゆみ野地区で、自然と触れ合うモデル地区を作ろうとしている。場所は都川調節池で四季の道に隣接している都川の源流部だ。周りを1周すると、約1km位ある広大な場所だ。
今この場所は、荒れた葦原と、人の近づけない池と、不法投棄されたゴミが散乱している里山しかない。ただし池には野鳥が多く飛来している。I さんは、ここを地区を代表する自然観察の場にしようと計画している。
名前は「都川源流の自然再生をはかる会」という。この調節池の管理は県の千葉地域整備センターだが、先日「センター」と「はかる会」は正式に契約を締結した。公共施設の「里親制度」契約という。
ゴミの収集、除草、破壊損傷等の情報提供が主な仕事だ。
契約に先立ち、現地視察をしていた県の担当者が
「いやー、改めてみるとずいぶん広いですね。草を刈るのも大変だ」と感嘆していた。
I さんも目を細めてみていた。
「葦原が生えているところに水路を通して、メダカを放流しましょう。葦原はできるだけ自然のままに残しましょう。それと池と葦原を隔てている柵は取って、水鳥が自由に調節池全体を移動できるようにしたほうがいいですね。 それが私の夢です」
私も目を細めてみていた。
「ゴミの量から見て,45Lの袋で約200袋は覚悟しなくちゃ駄目だろうな。それに水路を掘るとなると江戸の玉川上水を作ったときのような難工事になりそうだ。二人で掘ると数年は覚悟がいる。それが私の悪夢だ」
20XX年 フリー百科事典 ウィキペデア「都川調節池」
都川調節池には、I 氏と山崎氏の2名の努力により、壮大な水路が建設された。その結果、メダカや野鳥の天国になっており、世界遺産にも登録されている。おゆみ野地区だけでなく、全国から自然観察の愛好家が集まって来る名所になっている。
一方、建設資金はすべて自己調達だったため途中で資金が枯渇した両名は家屋を売って資金調達にあてた。現在二人は調節池の里山に葦でテントを作り生活している。
住民からは景観を汚すと苦情が出ているが、県は二人の功績を多として、路上生活者としては特別に、里山での生活を許可することにした。食料としてはメダカの採取が許されている。
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